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大日本帝国 [映画]

(1982日)分かりませんが、東映俳優勢ぞろいの豪華感にまず圧倒されました。

大東亜戦争を自衛戦争でABCD包囲網に嵌められたという基本線がありつつも、
日本兵が民間人を殺したことも含め、可能な限りマイナスなことも盛り込もうともしている。

よって、右からは左映画と言われ、左からは右映画だとされたようだ。

1940年の第2次近衛内閣から戦後の軍事裁判までを3時間をかけて詰め込む。

この作品は戦後37年で公開されており、終戦時に20代なら60前後で
その子の世代は成人しており、彼らを対象としている。
今日の戦後70年前後の作品とは異なり、無理に日本を美化しようとせず、
極力ありのままに作品にし、見る人たちの自分の人生に納得してもらおうとする、
脚本家と監督の意思が働いていたのでしょう。

恋物語を3組入れる。

1組はクリスチャンだが、教会に官憲が来て、
「イエスと天皇、どっちが偉いねん?」と、愚かなことを聞く。

弾圧の詳細には触れず、そこまでだったが、描写する。


が、陸軍参謀本部や海軍軍令部、連合艦隊などの、
命令と責任について検証するようなことは一切ない。

教養映画ではなく、当時の大衆娯楽映画として琴線に触れる作品だったのでしょう。


----以下ネタバレ----

京大生だった江上(篠田三郎)が京子(夏目雅子)に惚れるが、
瓜二つのフィリピン人(二役)を見殺しにしてしまう。
その後、彼女を日本兵の生存のため殺した男(西郷輝彦)が
殺されるが、その件も見殺しにしてしまう。

責任は無いが、戦後のB級裁判で西郷の罪を被ろうとした。

せっかくフィリピンまで京子が来てくれたが、
彼は正直に無罪と言わず、死ぬことを選んだ。


処刑寸前、

「天皇陛下、お先に参ります」
「天皇陛下万歳!」

と言った。

棄教宣言であり、「地獄で待ってます」ということだった。


が、彼は、京子の幸せを願って、身を引いたのであり、
これは間接的自殺であるが、
「京子の希望」を人質にとった大日本帝国の結末と殉教したと
神さまは認めてくれるのではないでしょうか。

むろん、映画はフィクションでしょうが、
罪なきクリスチャンが、弾圧を含め死に至らされたケースは少なくない。


外国主催の極東軍事裁判で、東條に全責任を負わせたのは正解でしょう。
が、あの世のことは、騙せませんからどうしようもないでしょうね。

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http://1rin.blog.so-net.ne.jp/2017-08-09


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