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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 [映画]

(2014英米)第2次大戦時の英国、ドイツ軍の暗号解読に携わったアラン・チューリングの伝記映画。
今日のコンピュータを彼が創った。が、詳細は半世紀にわたる極秘扱い。
彼の携わった任務に驚く。鑑賞しなければならない作品だった。

チューリングは同性愛の罪で1952年にホルモン療法を受けるが、
脳への影響もあり失意のうちに自殺している。
青酸カリ入りのリンゴでの最期だそうだ。
2009年には政府が正式に謝罪するにいたるも、彼の功績に対してあまりにも残酷である。

映画作品としては少年期・戦時・戦後と3つの時間を絶妙に交差させ、鑑賞者の歓心を完全にコントロールしている。異性との恋愛と同性愛、仕事仲間との人間関係といった一般的なシーンを中心にし、軍と情報部MI6と研究チームの国内組織の微妙な関係、
そして、敵の敵は味方でソ連へのスパイを放任するMI6の冷徹な思考も描かれている。
あらゆる鑑賞者を想定した作品なのでしょう。

彼の数学や抽象思考を表現する戦後のシーンが1分程あるのが、
脚本グラハム・ムーア氏の最も想いが詰まっているシーン。
アカデミー賞脚色賞を受賞したスピーチで「Stay weird, stay different」と言ったのは、スティーブ・ジョブズの「stay hungry stay foolish」に掛けたそうだ。
アップルのリンゴが、彼へのリスペクトだという説に「そうなのだろう」と思う。

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実際は、ヒューミント(人間を媒介とした諜報活動)で情報を得ていて、
チューリングの解読でチェックしていたようだ。
このチェックが無ければ、確信を持った正しい判断ができなかっただろう。

その多大なる国家への貢献をした人物に対しての仕打ちは残酷に過ぎるでしょう。
私は神は同性愛を認めていないと考えるが、現世で非人道的な扱いは論外でしょう。

が、生まれ持った性質を最大限尊重するにしても、
養子を持つ権利が許されるとは思えないなど、完全なる自由も考えにくい。
チューリングが残念でならない。




↓の個人ブログの内容に追記しました。
http://1rin.blog.so-net.ne.jp/2015-10-03
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