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小原克博「正戦論(1)──その歴史的経緯」(講義「宗教と平和」第8回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)
現代では、ヨーダー、ハワーワスが絶対平和主義を主張する。
対して正戦論は、ローマ帝国迫害時代からミラノ勅令でコンスタンティヌス体制となり、
神学的にアウグスティヌスが転換させたのが最初のようだ。
イエスの教えを心の問題と行動に分離し、自己目的か他者かで判断する。
それを、トマス・アクィナスが発展させる。ルターも言及したようだ。
一元的権威下では有効に機能したが、外の異教や、
宗教改革を経た30年戦争では機能せず、ウェストファリア体制となる。
F.ヴィトリアやグロチウスらによって正戦論が国際法理論の一部として
整えられていったようだ。
が、「勢力均衡時代」と2度の大戦を経、正戦論が復活するも、
「jus ad bellum」「jus in bello」が守られ機能している訳ではない。


---memo

不正とは何か キケロ 2つ 
  見捨てる いじめ 第2の不正

 国家が言う、同調圧力 戦争協力となる


正戦論の父アウグスティヌス(354-430)

 ①自己目的x
 ②他者のため 義務

 初期キリスト教 絶対平和主義
 
 イエスの教えは、心の持ち方

 コンスタンティヌス体制で、神学的根拠はアウグスティヌス


トマス・アクイナス(『神学大全』35巻):
(a)戦争行使の命令を下す主権の権威、
(b)正当な理由、
(c)動機の正しさ
 必要悪としての戦争 やむを得ない場合



正戦論は、キリスト教内部には機能したが、外部にはx
一元的な教会権威が崩れてもx 30年戦争


• オランダの法学者H. グロチウス(Hugo Grotius, 1583-1645)

 ウェストファリア条約
  国家主権の独立性 国家を超える上位の権威は認められず
      →戦争合違無差別論(無差別戦争論)
 
   → 「勢力均衡政策」
   
  ww1 国際機構による平和(国家の上位ではない) 正戦論の復活

  
・正戦のため条件
  
 国連レベルで参照される 議論 論理 対話が成りたたない

戦争への正義(jus ad bellum)
(a) 正当な理由
(b) 正当な権威 国家 が現在は国連
(c) 比例性 (結果として得られる善が戦争という手段の悪にまさる)
(d) 最終手段 対話議論を尽くす
(e) 成功への合理的見込み 
(f) 動機の正しさ


戦争における正義(jus in bello)
(a) 区別の原則 (戦闘員と非戦闘員を区別する)
   合意事項 高度なミサイルでも難しい
   ドローン 
(b) 比例性の原則(なされた不正を正すのに必要以上の力を行使しない)
   略奪行為


これまでの戦争の歴史はどうか? 

イラク戦争 
   大量破壊兵器 安保理決議無し フセイン体制治安良かった
   対話尽くしたか 戦後を考えていたか 動機は被抑圧者の解放?

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