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小原克博「エコロジーの神学(1)」(講義「現代神学」第11回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)聖書を独占した中世とは違い、現在では様々な解釈が提起され諸神学が併存しているようだ。
それぞれの課題と聖書箇所の解釈に、幅があろうが、
神様は、1つに絞ることを求められているのではなく、幅ある複数の見解を併存させておくことが良いと考える場合もあるのかと思いますね。
「わが父」の伝統を全廃するのは行き過ぎでしょう。
隣人に動物や菌も含むのも、まだ腑に落ちませんね。



----memo

• オイコス(家)+ロゴス〔ギリシア語〕

エキュメニカルも
• Cf. 経済学(economy)←オイコス+ノモス


地球は人間に優しくしてもらう必要はない

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西洋キリスト教自然観の基礎
• アウグスティヌス
   アニミズムの排除
    自然を支配すべき対象

「自然」に対する二つの見方
  道徳的指標 アリストテレス 同性愛は不自然である 多数派の考え
  野蛮としての自然 
    アフリカ 黒人 野蛮 → 植民地化 文明 肯定

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シュヴァイツァー 生物 

 アルネ・ネス 1972 ディープ・エコロジー 生態系全体


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戦後 経済発展 環境公害
 
  リン・ホワイト論争:1967年
   • 生態学的危機の原因は、キリスト教の人間観・世界観にあると指
摘した。


  人間と動物 永遠の生命 理性 

聖フランチェスコ 現教皇
 小鳥への説教 crazy


 むしろ 人間中心の原因は近代合理主義ではないか

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支配ではなく、
steward/ stewardship 管理人

リートケ
  「被造物を見て、神は良しとされた」ので勝手x

塵に過ぎない。

 ノアの洪水物語から、動物とも神は契約

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基本概念の拡張
 
  隣人愛に動物を入れようとするチャレンジ
    一定の聖書的根拠

 Justice 人間と人間 →

  Eco-justice
Environmental Justice


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黙示文学的終末論は反エコロジカル
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小原克博「宗教の神学」(講義「現代神学」第10回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015) 神さまはイエスをキリストとして誕生させたが、
イエスを通さない救いも極めて例外的に用意されていると考えなければ、
死を覚悟し利他的な行動をした人は報われない。
各主体の包括主義をとっての対話が不要な衝突を回避していくのでしょう。



----memo

• 北アイルランド(プロテスタント、カトリック) 収束 緊張ある
• 中東(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム)
  植民地主義の傷跡

• ボスニア(カトリック、セルビア正教会、イスラーム)
• インド(ヒンドゥー教、イスラーム、キリスト教) 緊張ある
• インドネシア(イスラーム、キリスト教)
     場所により緊張

• スリランカ(仏教、ヒンドゥー教) 武力鎮圧の過去
• スーダン(イスラーム、キリスト教)
• 米・同時多発テロ(イスラーム、キリスト教)

 人口比的にもキリスト教が多い
 宗教紛争と見るべきでなくとも、宗教の基本的知識
  単にn政治的紛争 ケースバイケース

 
• 様々な宗教間対話(inter-faith dialogue)

  世界教会協議会(WCC)
   主にプロテスタント諸教派 元々は教派間の調整
   現 他宗教 欧州なのでイスラム ユダヤ教

  世界宗教者平和会議(WCRP)
   京都で 本部ニューヨーク

  比叡山宗教サミット
       世界宗教者平和の祈り
      顔を合わせるだけで価値がある


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ユダヤ教イエス派

70戦争
クリスチャン キリスト野郎

1 ユダヤ教との関係
2 ギリシア・ローマの宗教との関係 多神教

313 公認宗教 「宗教的一元性」へ
   
   欧諸宗教を取り込みながら発展


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世俗化

 カトリックから管轄権の移譲
   土地 政治的影響力 学問

  →民主主義 資本主義 官僚制 科学技術への信頼

  近代化の原動力

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欧米における宗教間対話の必要性

 反ユダヤ主義(第二次世界大戦時におけるホロコースト)、十字軍
   単にヒトラー個人やナチズムの責ではない、
     歴史的蓄積  

 9.11イスラモフォビア ムスリム移民

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宗教的多元性に対する神学的応答

宗教的多元性に対する3つの類型

• 排他主義(exclusivism):救いは自宗教においてのみ

K・バルトへの言及
バルトの誤読 

• 包括主義(Inclusivism):他の宗教にも救済の可能性

   第二バチカン公会議 

• 宣言「我らの時代に」(Nostra aetate, 1965)で他の宗教の真理性
を否定しないことを確認

  • 救済は他の宗教においても可能(神の恵みの普遍性)

• 多元主義(pluralism):すべての宗教は基本的に対等

  問題点
   置換主義(supersessionism)

3者を並列

宗教感情に表現の自由が挑戦 緊張関係

(対話を求めない)原理主義的グループとの対話

• 宗教内対話 (intra-faith dialogue):保守派とリベラル派・穏健派の対話
世俗社会との対話:共通の社会問題、地球規模の問題への取り組み


宗教間対話 Type 1
宗教間対話 Type 2
Inter-faith dialogue as Wasabi
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小原克博「終末論」(講義「現代神学」第9回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)終末論が、個の確立を促すケースと集団に委ねる場合もある。
オウムの終末論にエリートが吸収されたように、動機がピュアで行動がテロとなることもあった。
恐らく今後も確信をもてない分野でしょうが、ザっと一望でき、ゆっくり考えるいい機会となりました。




----memo

「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」
(マルコ1:15)

• 「バシレイア・トゥー・テゥー」 ギリシャ語 

Kingdom of God → Dominion of God、Reign of God
家父長的


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神学の起源 イエス再臨の遅延

個人的終末論の系譜 他宗教も考える 動物は考えない 
宇宙論的終末論の系譜
 
 • A. シュバイツァー「徹底的終末論」:
     イエスは単に道徳的教師ではなく、神の国を


モルトマン『希望の神学─キリスト教的終末論の基礎づけと帰結の研究 』

「神の国」発言は聖書編纂者だとする理解

J.D.クロッサン 知恵の教師イエス


「『わたしがそれだ』と言って、多くの人を惑わすだろう。戦争の
騒ぎや戦争のうわさを聞いても、慌ててはいけない。そういうこと
は起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない」(マルコ
13:6-7)。


「虚偽の終わり」に
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小原克博「フェミニスト神学」(講義「現代神学」第8回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)聖書の1か所で自分の考えを裏付けされたと勘違いしてしまうのは愚かですね。
まずは1回、読もうと再確認いたしました。


---memo

メアリー・デイリー『父なる神を越えて』
カトリック→脱


極端 女子教育は必要ない

女性理解とパターナリズム


リベラル・フェミニスト キング
ロマン主義的フェミニスト 女性らしさ肯定
ラディカル・フェミニスト 男性社会打破 (マルコムx 白人打破)
ポストモダン・フェミニスト n白人中心 普遍的

・フェミニスト神学の成果と展望

 初期教会において女性の役割大
  説教やコミュニティーの指導も

 迫害から公認・国教となる
  教会が家父長的に


 聖書 性差別箇所 矛盾箇所の存在
     自己正当化の為、恣意的に聖句を利用してはならない


 聖書の多様性 100年 一貫性を求める必要はない
   

包含的言語(inclusive language)による聖書翻訳
  行き過ぎもある

  新しい神理解 女性性に着目

フェミニスト神学者 同時に エコロジー問題
• 環境の神学──サリー・マクフェイグ「神の体」(The Body of God)
   伝統的にタブー

   汎神論とのラインをファジーに


・「クィア神学」の形成 同性愛者神学
  

パウロ書簡の男色を禁ずる箇所は、商売を前提
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段 琦「変動する中国とキリスト教」(講義「現代神学」第7回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)中国社会科学院世界宗教研究所 研究員の段琦氏の講義
通訳を介するので約30分。

中国の都市化による教会の変動。
学識エリート、社長エリートと都市部の農民出身者、農村部と
各々の特徴と変動の傾向を概説する。

弾圧の実態は、動画に無い質疑応答の時間にあったのやもしれません。


----memo
都市化と宗教

1978 

201? 都市部人口 54.7% 

教会も農村から都市部中心
農民が都市部へ移動 まずは公認教会を探す

海淀堂教会 2001 850人 現12000人

北京海淀堂教会 エリート

 学識エリートグループ
 社長グループ

 農民出のグループ 知識難 貧 聖書理解も難
  
 中国キリスト教会全体は彼らに無関心


農村部では大幅に減
   若年壮年が都市部へ
 悪が教会の指導力を奪う
       牧師の困難


・中国ではピークは過ぎている
   都市化→世俗化多元化
       増加率減
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小原克博「黒人神学」(講義「現代神学」第6回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)
黒人聖歌が出エジプト記を前提としていた。
キング牧師が「モーセ世代」ならオバマが「ヨシュア世代」と表現されたように、
人は新旧約聖書のどこかに自分たちと重ねる。
歌が人を結び、神学も発展していく。

クエーカーは現在では頑固な空想的平和主義者のように聞くが、
17C後半の「神の前に平等」を主張するなど彼らに先進性があった。



----memo

・Black Theology

・宗教の両義性

解放の力 切る力とつなぐ力

黒人等 アンビバレント
↓  
支配と抑圧の力



奴隷制 聖書の選択的受容の歴史 レビ記
  
  17C後半 クェーカーが問題視 神の前に平等
  18C後半 教会ビッグイシュー 



出エジプト記 奴隷からの脱出

• 「そこではもはや、ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身
分の者もなく、男と女もありません。あなたがたは皆、キリスト・
イエスにおいて一つだからです。」(ガラテヤ書 3:28)

→ 黒人聖歌
  Deep River 
  出エジプトと重ね ヨルダン川を越えて

 尊厳の維持 仲間と結束


・公民権運動 

 M.Lキング,Jr


• ジェームズ・H・コーン(1938-)
黒人神学を作ることを言う 反発 白人がするもの

第2世代 コーネル・ウェスト +社会科学的分析
第3世代 エヴァンス 組織神学

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小原克博「解放の神学」(講義「現代神学」第5回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)ラテンアメリカで現世での希望のためマルクスに接近し、バチカンは批判する。
方法論としてのマルクスであれ聖域たる本部までが公式に採用するのは誤解を招くことにもなる。

現に20世紀半ばのイタリアでもカトリック信徒で共産党員がいて、確か万単位か千単位で破門したが、
冷戦下では簡単に認める訳にはいかないでしょう。

が、現実の絶望の中で現実の希望を人は求める。

真理は普遍性が伴うが、個々人の現実に栄養にならなければ、普遍性を伴わくなる。
ある時代、ある状況という条件下での神学が求めれられる。
それに応えようとしたのがグスタボ・グティエレスやモルトマンだったのでしょう。



-----memo

真理は「普遍性」 カトリック ギリシャ・ローマから

20c神学 普遍性ではく、ある状況・時代の中で
   各自の栄養に


・ラテンアメリカの状況
  強制改宗の歴史 カトリック化

・第二バチカン公会議1962-65
  現代化 他宗教との対話
   司祭→信徒中心
  それが背景

  68 後付けで「解放の神学」を提唱 グスタポ・グティエレス


・71 G. グティエレス『解放の神学』
  モルトマンの「希望の神学」

 死後の希望ではなく、今の歴史的実践
  
 
・解放の神学の特徴

  解釈権 伝統的には司祭・教会 →民衆自身
   日本x

・「罪」
  人間の中だけでなく、社会の構造も
   マルクス主義への接近をバチカンは批判(冷戦下)



・「神の国」現世で

   解放の神学のイエスと史的イエス研究とで接近している部分がある。
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小原克博「世界大戦のただ中から(3)── D. ボンヘッファー」(講義「現代神学」第4回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)講義資料の「獄中書簡」14ページ、読み違えてましたが、
1944.45時点で、今日の「大人」の時代での「安価な恵み」の氾濫に気づいていた。
ルターは自明で「高価な恵み」を語っていた。
修道院で徹底的に仕えたことの挫折から、恵みが与えられたことを
後の人間は恵みを前提としてしまう。が、それが自殺行為だった。

ポストセキュラーを見据えるにあたり、ボンヘッファーの書簡は読みこむべきなのでしょう。



----メモ----

ナチス 忠誠を求められる

38年から露骨

39 兵役拒否 アメリカへ が戻る 
  アインシュタイン

43 逮捕

  暴走車の酔っ払いからハンドルを取る 牧師を辞めている

450409 SS即決裁判 絞首刑

• ペイン・ベストに告げた最後の言葉「これが最後です。しかし、
私にとっては生命の始まりです。」


・ボンヘッファーの神学


※ Sola gratia 恵みによってのみ(義とされる):宗教改革の基本原理


『ボンヘッファー獄中書簡集』
エバハルト・ベートゲ 友人への手紙
 小原氏7人のゼミにて聞く ワイン


ナチス下 ユダヤ的文書 焚書 旧約聖書を排除

神の前で、神と
共に、われわれは神なしに生きる。

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小原克博「世界大戦のただ中から(2)──ドイツ教会闘争」(講義「現代神学」第3回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)80分に詰め込んでくれてるので助かりました。
自分で地道に調べれば、時間もかかるし、
細部への関心も生じなかったでしょう。




----メモ----

国際関係

政治・経済 価値も
中国 公認教会も破壊

アムネスティーの調査 死刑以外も

アメリカ 個人に価値を置く 中国x
中国 国家宗教事務局 上海 公認外は厳しい チベット

イラン 大統領より上 アリー・ハーメネイー
  市民レベルの意識と政府レベルでは違う アメリカ好き


・ドイツ教会闘争

 鉤十字 ナチスのイメージ 古い歴史があるが禁止(敬礼も)
  アーリア人のイメージ シュリーマンの発見

・ナチスドイツと教会 
  
  人種の優劣 科学的装い 人間は弱い 

・ドイツ的キリスト者
 
・牧師緊急同盟
   ユダヤ人排斥アーリア条項に反対

 1934第1回告白教会
  バルメン宣言 カール・バルト 6つの命題
  
  信仰対象はイエスのみ
  教会と国家の一体化に反対

  ヒトラー宛建白書1936ではできた
   民族司祭は認められない
    宗教用語で総統賛美
   
  19381109 水晶の夜 民家 シナゴーグ

  告白教会は地下へ ほぼ壊滅状態


・当時の神学の潮流

  創造の秩序の神学 アパルトヘイトの正当化も
   多数派のマヤカシ
  自由主義神学
   個人を重視 リベラル 柔軟ではあるが危うさ
  弁証法神学
   バルト 告白教会 

・日本では
   バルトの選択的受容 
   教会闘争の精神はx   
    内村の弟子たち一部で非戦

 1967 日本基督教団の告白
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小原克博「世界大戦のただ中から(1)── A. シュヴァイツァー」(講義「現代神学」第2回、同志社大学) [講義-神学等]

(2015日)
人間から拡張し虫にまで「生命への畏敬」というのは、まだ分かる。
無意味な殺生を戒める仏教的な言葉を、祖父母から聞いてはいた。
さすがに菌にまでは、腑に落ちないものの、
西洋と東洋が繋がる地平でもあり、シュヴァイツァーの果たした役割は、
終末論の再発見も含めて大きい。
面白かったですね。



----メモ----
グローバル化の時代、セグメント化されている
中で法王は「普遍性」を主張

人類的視点で発言する人は必要

が、同性愛

現職神父のカミングアウト
10年前なら揉み消されただろうが、公表。
中での変化


・シュヴァイツァー(神学者・牧師・オルガニスト・医師・マルチタレント)

生涯
フランスとの境界で育つ 両国の影響

1915「生命への畏敬」を思いつく
1926 内村鑑三 寄付送る
1953 79で平和賞
1965 90で死去 この年、小原氏誕生

・神学思想
新約聖書学 4福音書の研究

 近代的なイエス像を批判(神の子ではなく道徳的教師)
  ↓
 徹底的終末論
  
   近代聖書学の幕開け

 イエス神秘主義


・「生命への畏敬」

「わたしは、生きようとする生命に取り囲まれた生きようとする生
命であるという事実」

   虫けらすら
 
 生命に優劣 → 昆虫・野蛮人
 
 全ての生命の等価性
 細胞など 分子レベル むしろ輪廻転生も合理的

 
 天台仏教 草木国土悉皆成仏
  →宮崎駿

 近代はなんやかんや人間中心主義
 
 「生命への畏敬」と東洋 の結合
 人間対人間 → 人間と動物

  動物愛護運動 スペイン闘牛の評価
  食犬


・影響史

  20c神学における終末論の再発見 シュヴァイツアの貢献大
  エコロジー思想・生命倫理への影響
     細菌まで

  『沈黙の春』

  動物愛護運動への影響 
    ビーガン ビーガンマーケット
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