SSブログ

第2章 22-38 安らかに眠ってください [ルカ伝]

イエスが生まれた。
40日の清めの期間が過ぎた後、両親はエルサレムの神殿に向かった。

そこにシメオンという老人がいて、彼は神よりお告げがあり、
「メシアに会うまでは決して死なない」と言われていた。

何歳かは知らないが、早く死にたいと思ったこともあるだろう。
拷問だと恨んだかもしれない。
しかし、彼はとうとう一人の赤子を見て、直感した。

29
----
"Sovereign Lord, as you have promised, you now dismiss your servant in peace.
「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり/この僕を安らかに去らせてくださいます。
----


久々の新約でした。新鮮な気持ちで爽やかです。

第2章 6-21 誕生8日目 [ルカ伝]

21
-----
On the eighth day, when it was time to circumcise him, he was named Jesus, the name the angel had given him before he had been conceived.
八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。
-----

8日目に割礼がなされ、イエスと名付けられた。
すでに名が決まっていても、8日目に命名するという慣習だったようだ。
(誕生と共に命ずる場合もあったようである)

第1章で洗礼者ヨハネも名は決めてあったが、誕生して8日目に命名された。
彼の父ザカリアは、神の言葉を疑った罰で口が閉ざされたが、
人々から名をどうするか聞かれ、「ヨハネ」と板に書いた瞬間に罰が解けている。

この8日目の割礼と命名が、神と関係づけられることで赤子の真のスタートとなるのでしょう。

第2章 1-5 2人の救い主 [ルカ伝]

1
----
In those days Caesar Augustus issued a decree that a census should be taken of the entire Roman world.
そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。
----

イエス誕生年か前年の頃だろう。


紀元前44年にガイウス・ユリウス・カエサルが没する。
共和制ローマの終身独裁官。
「賽は投げられた」
「ブルータス、お前もか ?」
で知られる政治家・軍人。

養父であったカエサル亡き後の内乱に勝ち抜いたアウグストゥスは、
紀元前27年ローマ帝国初代皇帝となる。
パクス・ロマーナ(ローマの平和)を実現する。

人々は彼を全ての戦争を終わらせた「救い主」と信じていたが、
もうひとりの「救い主」が「ダビデの町」ベツレヘムに誕生しようとしていた。

aug2.JPG
アウグストゥス(ローマ市内の銅像)

第1章 57-80 ザカリアの賛歌 [ルカ伝]

イエス・キリストを人々が受け入れるよう、準備したのが洗礼者ヨハネである。
その誉れある息子を産んだ時の父親の歌が「ザカリアの賛歌」である。
後世の人が歌ったのやもしれない。



自分の息子の役割を天使より聞いていた彼は、
この箇所を歌うのは、声がつまるだろう。

78-79
----
because of the tender mercy of our God, by which the rising sun will come to us from heaven to shine on those living in darkness and in the shadow of death, to guide our feet into the path of peace."
これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」
----

ローマに従属していた暗闇に住む同胞に光を与えるキリストが間もなく現れる。
そのキリストのお役にたてる。感無量である。

第1章 39-56 マリアの賛歌 [ルカ伝]

マリアが天使ガブリエルより自分と高齢の親戚エリザベツの受胎を告げられ、
マリアは、エリザベツの住む街へと旅立った。

歓迎を受け、共に喜び合う。

その時にマリアが歌ったのが「マリアの賛歌」で、旧約の様々な箇所がベースとなっているようだ。


-----
わたしの魂は主をあがめ、
わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。

身分の低い、この主のはしためにも
目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人も
わたしを幸いな者と言うでしょう、

力ある方が、
わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、
その憐れみは代々に限りなく、
主を畏れる者に及びます。

主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。

その僕イスラエルを受け入れて、
憐れみをお忘れになりません、
わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。
-----


54-55(日本語訳の最後の段落)
---
He has helped his servant Israel, remembering to be merciful
to Abraham and his descendants forever, even as he said to our fathers."
---

神は、アブラハムの孫ヤコブを「助け」た。
ヤコブは改名しイスラエルとなった。
この歌は狭い意味でイスラエルの土地を指しているのではなく、
あくまでアブラハムを継ぐ者たちのことでしょう。


イシャラー(勝つ者)
エル(神)

第1章 5-38 洗礼者ヨハネ誕生 [ルカ伝]

イエスは同年齢の洗礼者ヨハネ(以下ヨハネ)からバプテスマを授かる。

ヨハネの父は祭司職だったことからレビ族だとされる。
子に恵まれなかったが、ある時、天使ガブリエルが現れ、
「妻エリザベトは男の子を産むので、ヨハネと名付けなさい」
と言われるが、俄かに信じがたい話なので、父ザカリアは天使に言う。


18
----
Zechariah asked the angel, "How can I be sure of this? I am an old man and my wife is well along in years."
そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」
----

この発言が、「おまえ、疑ったな」ということとなり、
罰として、子が生まれてくるまで話せなくなった。

これは、ガブリエル流のサービスなのだろう。
後に、子の誕生と共に、自分の口も元に戻り歓喜も倍となる。

1年弱程の不便で済んだので、むしろ喜ぶべきだろう。


9
----
he was chosen by lot, according to the custom of the priesthood, to go into the temple of the Lord and burn incense.
祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。
----

この9節が、イエスの誕生年を導く材料の1つのようだ。

24の班があり、1週間毎に交代し宮の祭事を掌る。
紀元70年のエルサレム陥落の時の班が分かっているので、
逆算していくそうだ。
が、これだけでは無理なので他の材料があるのだろうが、
詳細が気になってきましたね。


少し検索すれば分かる範囲ならいいのですが、、どうでしょうか。

第1章 1-4  テオフィロ様 [ルカ伝]

パウロの書いた「フィレモンへの手紙」の結びにパウロの協力者として、ルカの名が記されている。
パウロの弟子でギリシャ語を話せ、第1世代のユダヤ人キリスト者が大勢の頃から、異邦人が主となる第2世代のアイデンティティの問題が生じる時期の人のようだ。

ユダヤ教から敵視され、内部の情熱も下がっていたようだが、そういう状況下で、
テオフィロ宛に長文の福音書を書いたとされている。


3
---
Therefore, since I myself have carefully investigated everything from the beginning, it seemed good also to me to write an orderly account for you, most excellent Theophilus,
そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。
---

テオフィロがギリシャ語で「神を愛する人」なので、ギリシャ語を理解できるキリスト教に関心ある人向けのようだ。


まだ、読んでいず冒頭4節だけだが、こういう長文を書くからには、
教えが混乱しているのを正そうという意図なのかなとは思うのですが、
読み進めていこうと思います。