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小原克博「政教分離──宗教の自由をめぐる国際的な論争」(講義「宗教と平和」第13回、同志社大学) [講義-神学等]

(2014日)政教分離の多様性。各国により歴史が異なるので、
政教分離の考え方、中身が当然に異なる。
最低限、これ位の知識は前提でしょうという中身だとは思いますが、
その概要を学ぶのに最適でした。

最終回でしたが、「学ぶ」というのは本来楽しいことだと実感しましたね。
今後は本とのバランスで、講義のペースを調整します。


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タラル・アサド『世俗の形成』


ユグノー戦争(1562-98)
アンリ4世 ナント勅令 パリ以外礼拝自由
  1685廃止

フランスの政教分離


ライシテ(laïcité)の原則
• 「教会と国家の分離に関する法律」(1905年)により成立。
• 宗教と政治の区別、国家の中立性、公認宗教の多元性、政治
権力の独立、信条の自由。
• フランス憲法 第二条
• 「フランスは不可分にして、非宗教的、民主的、社会的な共
和国である。」


アメリカ
Separation of Church and State(教会と国家の分離)
• 合衆国憲法修正第一条(The First Amendment, 1791)
  国教樹立禁止 信教自由禁止不可

広義の政教分離 英独
  イギリス 国教あるが、実質最大限認めている
 ドイツ 持ちつ持たれつ 国家が教会税天引 公的教育で宗教教育

友好的分離 アメリカ
敵対的分離 フランス トルコ

  トルコ フランスモデル 
  ライクリック  ヒジャーブx
      国家が宗教を管理している コンコルダートに近い

ルネ・レモン『政教分離を問いなおす──EUとムスリムのはざまで』青土社、

進化論 生物の多様性 環境への適応 環境要因 偶発的遺伝学的変化
  神の創造否定
   学校教育でどう教えるか 政教分離の問題


政教分離は元々はキリスト教前提
  想定外ムスリム


• 世界人権宣言(1948年)第18条  サウジx
   宗教又は信念を変更する自由  
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小原克博「一神教と国際安全保障──世界は世俗化しているのか」(講義「宗教と平和」第12回、同志社大学) [講義-神学等]

(2014日)これまでの復習の回。

一神教の統一性と多様性だが、非一神教から眺めれば、
その中のグラデーションが歪んで見えざるを得ない。

私は現在、無教会を名乗ってますが、礼拝やミサに真面目に通ってもいるので、
強いて言うなら「無教会主義キリスト教教会派」と言うべきかもしれません。
おかしな話です。
(他の人を社会派と言うつもりはありません。)

世界中で、日々刻刻と変化する多様性を、誰も正確に掴むことはできないでしょう。


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人間 死者儀礼 特定の場所に移動させる


死の美化
 

一神教の人口分布

イスラム教の中心 インドネシア マレーシア
キリスト教    アジア アフリカ

中心点の移動 

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リスクとしての宗教

ウルリッヒ・ベック(ドイツの社会学者)
•『リスク社会』(1986年)
『〈私〉だけの神──平和と暴力のはざまにある宗教』
 

多様性の幅 キリスト教


世俗主義(secularism)リスク管理の発想
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小原克博「聖戦論(2)──近代日本の場合」(講義「宗教と平和」第11回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)
問題は、「聖戦」そのものもだが、
「聖戦」が偽装で、秀吉のような不信仰な人間による表看板でなされたのなら、
どうしようもなく救いようがないですね。


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近代日本 

パターンを学ぶ

山本覚馬
 卒業式で イザヤ2-4 
  最終回 八重の言葉でも

 徳富蘇峰 八重 対面 政府の雑誌になっている 
  襄も愛国者でした。

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 三条教則(1872 年)

大東亜共栄圏の思想 キーワード
 大東亜戦争 聖戦 と考えられた

「八紘一宇」の精神
   海外で神社参拝義務

近衛文麿
  大正デモクラシーの中で
  「英米本位の平和主義を排す」(1918 年)

  「非常時」乱発

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「日本的キリスト教」

日本基督教団告1967
  
内村 ペンテコステ派 例外 

 
 同志社綱領 書き換え 湯浅八郎追い込まれる 国賊呼ばわりされながら
  新島の写真から神棚
    内部でも争い  妥協して戦後を迎える 
  上智でも明治学院でも

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仏教の場合

本願寺派 1936 神祇不拝の放棄 

 その後、「真俗二諦」は「王法為本」に修正される

  1940『教行信証』の不読の箇所を決定。

• 1995 年、浄土真宗本願寺派・大谷光真門主「宗祖の教えに背き、仏法の名
において戦争に積極的に協力していった過去の事実を、仏祖の御前に慚愧
せずにはおられません」。

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聖戦

宗教だけでなく、ナショナリズム 国家そのものが疑似宗教となり暴走
排外的な愛国心

戦いを善と悪の闘争と見なす (比例性の原則無視)
• 存在論的な次元での善悪の峻別が聖戦論の第一の特徴である。

戦闘員非戦闘員の区別もなくなる (区別の原則無視)


世界を戦争状態として
 Mark Juergensmeyer 終末思想を舞台として コスミック戦争
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小原克博「聖戦論(1)──神々の戦い、十字軍、ジハード」(講義「宗教と平和」第10回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)大シスマで分裂、第4回十字軍がコンスタンチノープル占領略奪。
その経緯があるので、この動画の2013年時点では、東西教会は決裂状態だった。
が、2016年にキューバで対話がなされた。
また2014年6月にISILがIS(Islamic State)のカリフ制イスラム国家を自称したが、
彼らの首都ラッカがクルド民兵「シリア民主軍」が先週制圧した。
激動の時代ですね。




古代世界の戦い

神々の戦い  神々の淘汰
  神聖政治と表裏一体
    神から権威を与えられた  卑弥呼
 代理戦争 proxy war


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戦争は「主の戦い」 ヘブライ語聖書
 など
   聖戦のひな形 アーキタイプ
   

  十字軍のコンスタンティノープルへの入城 略奪 禍根

 
十字軍の「浄化」 発想 オウムと


ルターの場合
「教皇がアンチ・キリストであるのと同様に、トルコ人は肉体をもっ
て現れた悪魔である」
 十字軍に賛同するわけではないが、

浄化志向 ピューリタンも プロテスタント引き継いでいる
 (山内進『十字軍の思想』157頁)


防衛的ジハード 正戦論で

革命のジハード 聖戦論
  無差別攻撃容認 内 1981サダト暗殺
          外 アルカイダ 9.11含む 
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小原克博「正戦論(2)──キリスト教とイスラームの視点から」(講義「宗教と平和」第9回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)イスラム=ジハード=聖戦 というイメージで捉えられがちだが、
見誤ることとなる。

古典イスラーム学や神秘主義を核とするスーフィズムの伝統では、
「大ジハード」と「小ジハード」と分けて考え、
前者を個人の内面の戦いとし、後者を異教徒との戦いとする。

が、「小ジハード」が即、聖戦となるかと言えばそうではなく、
アッラーへの献身のためか、人間の欲望からきた戦いかが、
問われ戦いが制限されることから正戦論として考えなければならない。

又、その小ジハードは異教徒向けとは限らず、
イスラム内部の世俗政権に向かう際にも使用されるようだ。


----memo

正戦から聖戦へ

内なる浄化 11c聖職叙任権闘争  
外なる浄化 十字軍

連動

「浄化」健全と危険

十字軍の負の副産物 ユダヤ人虐殺

30年戦争 聖戦の排除 正戦論の世俗化 勢力均衡政策

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正戦論を主張する神学者  ポール・ラムジー R.ニーバーの影響
  リアリスト
  自分ではなく抑圧された他者の左のほほ、
   「よきサマリア人」


マイケル・ウォルツァー
 jus ad bellum を検証 極めて少ない
 自衛のための先制攻撃 ハードル高く
 テロリズムとゲリラ戦とを区別

人道的介入


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イスラームの場合

防衛ならジハードよい

そもそも 大ジハード 自我との戦い
 小ジハード 異教徒との戦い

  よって、小ジハードは正戦論 n聖戦

現代
 イスラム内部
 イスラーム主義者が世俗政権を打倒するためのジハード

 イスラム外部
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小原克博「正戦論(1)──その歴史的経緯」(講義「宗教と平和」第8回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)
現代では、ヨーダー、ハワーワスが絶対平和主義を主張する。
対して正戦論は、ローマ帝国迫害時代からミラノ勅令でコンスタンティヌス体制となり、
神学的にアウグスティヌスが転換させたのが最初のようだ。
イエスの教えを心の問題と行動に分離し、自己目的か他者かで判断する。
それを、トマス・アクィナスが発展させる。ルターも言及したようだ。
一元的権威下では有効に機能したが、外の異教や、
宗教改革を経た30年戦争では機能せず、ウェストファリア体制となる。
F.ヴィトリアやグロチウスらによって正戦論が国際法理論の一部として
整えられていったようだ。
が、「勢力均衡時代」と2度の大戦を経、正戦論が復活するも、
「jus ad bellum」「jus in bello」が守られ機能している訳ではない。


---memo

不正とは何か キケロ 2つ 
  見捨てる いじめ 第2の不正

 国家が言う、同調圧力 戦争協力となる


正戦論の父アウグスティヌス(354-430)

 ①自己目的x
 ②他者のため 義務

 初期キリスト教 絶対平和主義
 
 イエスの教えは、心の持ち方

 コンスタンティヌス体制で、神学的根拠はアウグスティヌス


トマス・アクイナス(『神学大全』35巻):
(a)戦争行使の命令を下す主権の権威、
(b)正当な理由、
(c)動機の正しさ
 必要悪としての戦争 やむを得ない場合



正戦論は、キリスト教内部には機能したが、外部にはx
一元的な教会権威が崩れてもx 30年戦争


• オランダの法学者H. グロチウス(Hugo Grotius, 1583-1645)

 ウェストファリア条約
  国家主権の独立性 国家を超える上位の権威は認められず
      →戦争合違無差別論(無差別戦争論)
 
   → 「勢力均衡政策」
   
  ww1 国際機構による平和(国家の上位ではない) 正戦論の復活

  
・正戦のため条件
  
 国連レベルで参照される 議論 論理 対話が成りたたない

戦争への正義(jus ad bellum)
(a) 正当な理由
(b) 正当な権威 国家 が現在は国連
(c) 比例性 (結果として得られる善が戦争という手段の悪にまさる)
(d) 最終手段 対話議論を尽くす
(e) 成功への合理的見込み 
(f) 動機の正しさ


戦争における正義(jus in bello)
(a) 区別の原則 (戦闘員と非戦闘員を区別する)
   合意事項 高度なミサイルでも難しい
   ドローン 
(b) 比例性の原則(なされた不正を正すのに必要以上の力を行使しない)
   略奪行為


これまでの戦争の歴史はどうか? 

イラク戦争 
   大量破壊兵器 安保理決議無し フセイン体制治安良かった
   対話尽くしたか 戦後を考えていたか 動機は被抑圧者の解放?

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田辺寿一郎「仏教哲学と平和」(講義「宗教と平和」第7回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)
講義中は慣れない用語に戸惑い、理解できないまま終了した。
が、1日経過して資料を眺めるとわかり始めました。

the conditioned mind + the unconditioned mind
が、Holistic mind

自分が何らかの体系の中で生きているが、
その条件を超えて一歩外に立って眺める。
外の動きと、内の動きのダイナミズムを見て、把握して、
恐らく映像として感じる。

サッカーやラグビーのような敵味方入り乱れた中での
ゾーン状態と言われるものに近いのかもしれません。


---memo

田辺寿一郎

同志社経済総合政策 英国留学
平和と和解の研究センター
人道的介入 仏教と平和 を研究

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1950年代 平和研究
  

紛争(Conflict) は ある意味ポジティブ


批判する相手があって自分が成り立つ

一つの概念を絶対化x

自分の心もモニターする
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小原克博「絶対平和主義(2)──非暴力を実践した人々」(講義「宗教と平和」第6回、同志社大学) [講義-神学等]

(2013日)名もなき平和主義者が受け継がれてきたからこそ、
文豪が作品を書き、非戦、非暴力の実践者が生まれた。
が、全人類が絶対平和主義者になったとしても、
それは一瞬の幻であって、やがて時間の経過で争いは生じる。

しかし、それで価値を否定されるものではなく、
自分が違った立場であろうが、
本物の人間には無名であろうが尊敬すべきでしょう。



---memo

無名の人々に受け継がれてきたから

思想 トルストイ ラッセル

実践者 ガンジー、キング、内村鑑三、賀川豊彦、柳 宗悦


ガンジー
自ら「サティヤーグラハ」(真理の把捉)
「アヒンサー」(非暴力)

マーティン・ルーサー・キング
 バプテスト 
• 1963年、ワシントン大行進「私には夢がある。いつかジョージアの赤い丘で奴隷の子孫と奴隷所有者の子孫が兄弟として同じテーブルにつく夢が」
  憎しみある中で簡単に言えない
    ベトナム戦争反対 非国民

マルコムX
• 1964年、ネーション・オブ・イスラムを脱退。
  メッカを巡礼。→人種の違いが相対化される

内村鑑三
  日清戦争「義戦」

  弟子 黒崎 非戦貫く 
  塚本 大東亜戦争「聖戦」→戦後絶対平和主義
  矢内原 戦争批判貫く 天皇への敬愛貫く


賀川豊彦(1888-1960) 世界で有名 ノーベル賞候補 組合 
柳 宗悦(1889-1961)民芸運動 浄土真宗 美の固有性
高木顕明(1864-1914)大谷派 


名もなき平和主義者たち
アナバプテスト アナagain 再洗礼派 現メノナイトなど
アーミッシュ メノナイトから 銃乱射犯人家族招く許し
クエーカー 17c英 新渡戸稲造
ドゥホボール 徴兵拒否 ロシアのカフーカス右カナダ 
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同志社大学「建学の精神とキリスト教」第13~14回(小原克博) [講義-神学等]

(2008日)
高校生への紹介も兼ねた内容だったので、
他の講義を先に受けてた私にとって、良い復習となりました。
導入部の様々な施設や遺品、精神の紹介も、いいエピソードが詰まっていると感激でしたね。
誇りと愛着を持って語られる職員さんの博識に舌を巻きました。




13 キリスト教の基礎(5):キリスト教と文化
14 キリスト教の基礎(6):21世紀における宗教の役割
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同志社大学「建学の精神とキリスト教」第9~12回(小原克博) [講義-神学等]

(2008日)概ね、これまでの復習。
とりわけ、時間の捉え方をギリシャ神話のクロノスとカイロスに分けて、
新島にとってのカイロスが、連邦志略、聖書、脱国だとする箇所で考える。

では、私にとってのカイロスとは何か。
多すぎるが、1つだけ挙げるなら、やはり聖書でしょう。
無神論者だったはずが、いつか、神の存在を仮定する方が良いと変化し、
そして、聖書によりミイラとなった。


愛の普遍性、具体的に小さい者に何ができるか、
サマリア人たらんと。




9 キリスト教の基礎(1):運命を切り開く力--脱出と解放の系譜 のメモ
10 キリスト教の基礎(2):愛とは何か のメモ
11 キリスト教の基礎(3):キリスト教の歴史的展開 世界史の中で のメモ
12キリスト教の基礎(3):キリスト教の歴史的展開 日本史の中で のメモ
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